転職のことを考えはじめたとき、ふと頭に浮かぶことがあります。
- なにか資格があったほうが、有利になるのかな
- 資格くらい、取っておいたほうがいいかな
- でも、何を取ればいいかわからない…
結論から言えば、なんとなくの気持ちで資格を取っても、あまり意味はありません。だからといって「資格はムダ」と決めつけるのも違います。
この記事では、そんな「ぼんやりと資格を考えはじめた20代」に向けて、
- どんな資格が現実的なのか
- 資格をとる前に考えておくべきこと
- 資格よりも大事なこととは
を、わかりやすくお伝えします。
「資格があれば転職に有利」ってホント?
就職や転職に役立つ資格というのは、たしかに存在しますが、専門職に直結する国家資格のことがほとんどです。
- 医師免許
- 弁護士資格
- 公認会計士
- 看護師や薬剤師の免許
こういった資格は、専門性が高いぶん、人生をかけて本気で目指すものです。「なんとなく資格がほしいなぁ」という気持ちで目指すには、あまりにも重たい世界です。
じゃあ、もっと手軽に取れる資格ならどうか?実はここにも落とし穴があります。
簡単に取れる資格はあまり評価されない
インターネットで「転職 おすすめ 資格」と検索すると、出てくる資格はたくさんあります。
- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
- 秘書検定
- 簿記3級
- FP(ファイナンシャルプランナー)3級
- 登録販売者
- TOEICスコア500点台〜
これらの資格は、比較的短期間で取得でき、多くの人にとって挑戦しやすいです。それにもちろん、勉強すれば得るものはあります。
でも多くの人が取りやすいぶん、「すごいですね~」と重宝がられることは少ないのが事実です。
「資格があればなぁ」と思うとき、ほんとうに探しているのは…
では、なぜ私たちは「資格があればなぁ」と思うのでしょうか?
たいていの場合、それはこんな気持ちからきています。
- 自分にはなにもない気がする
- 自信がない
- スキルも実績もない
- 転職できる材料がほしい
つまり、「資格をとりたい」のではなく、「自信を持てる何かがほしい」のです。
自信を持ちたい20代におすすめの資格
「何かやってみたい」「ちょっとは準備しておきたい」と思う人に、20代におすすめできる資格をいくつか紹介します。
1. 日商簿記2級(または3級+実務経験)
- 特に事務職や経理・総務に興味がある人に
- お金の流れを理解できる力は、社会人としても強み
2. 登録販売者(ドラッグストアなどで活躍)
- 未経験からでもチャレンジしやすく、求人も多め
- 資格手当がつく職場もあり、手堅い
3. ITパスポート
- IT業界を目指す人にとって、最低限の知識を示す指標に
- 難易度は高すぎず、独学でも可能
4. TOEIC(600点以上を目標に)
- スコア次第では評価されることも
- 海外取引や外資系に行きたい人は強みになる
5. 危険物取扱者(乙4)
- 工場勤務やガソリンスタンドなど、現場系の職種で有利
- 勉強量はそこまで多くなく、就職にもつながりやすい
これらも「なんとなく」で取っても意味がないことを忘れないでください。
資格より大事なのは「打ち込めるもの」
この記事のいちばん伝えたいことはここです。
資格があっても、やりたいことがなければ活かせません。逆に、やりたいことがあれば、資格がなくても仕事につなげられます。
たとえば、
- 動画編集が楽しいと気づいて、資格なしでフリーランスになった人
- 介護の仕事を好きになってから、あとから初任者研修を取った人
- 営業をやってみたら得意だと気づいて、資格は持たないまま実績で転職した人
そんな例は、世の中にたくさんあります。
だから、まずは「資格を取ること」よりも、「何に興味があるか」「何なら夢中になれるか」を探すことが、幸せな働きかへのいちばんの近道かもしれません。
資格は「自信」をつくる一つの手段
資格を取ることが悪いわけではありません。それで自信がついたり、やる気が出たりするなら、それも立派な成果です。
でも、資格そのものが転職を成功させてくれるわけではありません。
- その資格を、どう使いたいのか
- どんな仕事で活かしたいのか
- その仕事に、ほんとうに自分が興味を持てるのか
そうやって、自分の「内側」を見つめることが、なによりも大切です。
あなたが資格に目を向けたのは、「今の自分ままじゃ不安」「人から認めてもらえるなにかがほしい」という前向きな気持ちがあるからですよね。その気持ちは大切にするべきです。
人からの評価を気にするくらいの思いやりを自分に向けて、打ち込めるものを見つけること。それが、転職だけでなく人生をいいものにしてくれます。